何回も通っているのに、いっこうに治療が進んでいない気がする・・・
いったい、いつまでかかるの?
今、どんな治療をしているの?どうなっているの?
なぜこんなに時間がかかるの?
この治療が本当にベストなの?
ほかにもっといい方法はないの?
などなど、およそ親切と丁寧とはかけ離れた治療を受けている患者さんが少なくありません。
いったいなぜでしょうか?
ほかの先進国に比べて、日本での歯科治療費は圧倒的に安価です。
なんとアメリカの1/10、スウェーデンの1/5の費用で治療を受けることができます。
なぜなら、日本には「国民皆保険」という制度があり、この保険診療の制度を利用すれば治療費の70%を国が負担してくれるからです。
国内の歯科医院のほとんどが保険診療を行っています。
治療費の負担が少なくて済むので、一見するとその点では患者さんにとってはとても助かる制度だと言えます。
しかし、こうも言えるのではないでしょうか。
「悪くなったら治療してもらったらいい。どうせ安く済むんだから」という考えに陥る。
この考えがどうして危険なのか。
歯は、一度削った部分は戻ってきません。
削って詰めることはできますが、それはもうご自身の歯ではなくなってしまうのです。
そして、永久歯を失った場合ももちろん二度と生えかわりません。
「歳を取ったら歯がなくなる」
本当にそうでしょうか?
多くの人が勘違いしていますが、歳を取れば歯が抜けて入れ歯になるというのは実は自然なことではありません。
適切な治療とケアを行えば、おじいちゃんおばあちゃんになってもキレイで健康な歯を保つことは決して不可能なことではないのです。
また、健全な口腔内の咀嚼能力を100%とすると、入れ歯の状態はなんと15%~20%まで低下します。
今皆さんがかたいお肉や、繊維質の多い野菜やナッツなどを何の気なしに咀嚼して消化できているのを100%とすると、15%程度は煮崩したカボチャや柔らかいおかゆなどを食べるイメージでしょうか。
もちろん、加齢による筋力低下も関係はしますが、高齢であっても健全な歯が揃った状態であれば、咀嚼能力が低下したとしてもせいぜい70%程度と考えられます。
「歳を取れば歯が抜けるから総入れ歯にしてもらおう」と思う人が多いのはなぜでしょうか?
また、今このページを読んでくださっているあなたや、あなたの大切な人が将来そうなってもいいと心から思いますか?
永久歯(大人の歯)は上下で28歯、親知らずがある場合は32歯。 乳歯(子供の歯)は上下で20歯あります。
咀嚼能率は歯の喪失により低下し、たった1歯が義歯になったり、ブリッジがたった1箇所できる だけで90%程度になってしまいます。
喪失する歯が増えると咀嚼能力の低下率は格段に下がっていきます。
先進国のなかでも日本人の口腔内に対する意識の低さはたびたび話題に上がります。
「歯並びが悪くて、黄色くて、笑うと金属がちらっと見える」これは、外国人が描く平均的な日本人のイメージだそうです。
日本人は歯が大きく顎が小さいため、現代の食文化では特に歯並びが悪くなりやすい傾向にあります。
歯磨きをしっかりしたつもりでも、磨き残しをしやすく虫歯や歯周病になりやすいのです。
そのため、口腔内のケアを日ごろから時間をかけて丁寧にする必要があるのはもちろんですが、治療する歯科医院にも丁寧かつ高度な治療技術が求められます。
歯を失う二大原因は歯周病とむし歯です。一般的には奥から失われる傾向にあり、比較的若いうちはむし歯で失われる場合が多いですが、残った歯が少なくなるにつれて歯周病で失う歯が多くなります。
歯周病とう蝕。
よく目にする疾患だと思います。
この二つは確かに口腔内の二大疾患として有名です。
歯周病は口臭や歯の喪失原因のトップであるだけでなく、心臓疾患や脳血管障害、糖尿病、出産時のリスクにおいても相関関係があります。
日本人の歯周病患者とその予備軍の割合は20代で約70%、30~50代で約80%、60代になると約90%にも及ぶと言われています。
歯周病は文字通り、”歯の周りの病気”です。
「歯がぐらぐらして、歯ぐきから膿が出てブニョブニョに。最後は歯が抜け落ちる・・・」
歯周病についてそんなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
確かに重症化するとそうなりますが、急に最悪の事態になるわけではありません。
いくつかの段階を経て進行していきます。
少し前まで、むし歯と歯周病はとても身近なものでした。
子どものころから繰り返し歯医者さんに通い、歯や歯ぐきの治療をしてきたという人がたくさんいます。
「誰もがなる病気だから仕方がない」なんて思われていたほどです。
でも、本当は違います。
むし歯も歯周病も本来、まれな疾患なのです。
虫歯や歯周病は細菌に感染し、それによってできたプラーク(細菌のかたまり)を放置することで引き起こされます。
逆に言うと、プラークを毎日きちんと落とせれば発症を防ぐことができるのです。
近年では、歯医者さんで治療したことがないという若い人たちも増えてきました。
これは、虫歯や歯周病の原因や対策が広く知られるようになってきたためかもしれません。
とはいっても、まだまだ「まれな疾患」という印象からは程遠いむし歯と歯周病。
なぜなのでしょうか?
1.通う回数が多く再治療になりやすい
保険治療は治療費が安いため、短時間でたくさんの患者さんを診察しなければ経営が成り立たなくなってしまいます。
利益を出すためには、1日に25人以上の患者数が必要と言われており、患者さん一人一人にかける時間はどうしても短くなります。
その結果、丁寧に治療をするのが難しくなり、治療に通う回数が多くなるだけでなく、再治療の可能性も高くなります。
そして、治療を繰り返すほど歯の状態は悪化していきます。
2.材料や治療方法に限界があり、適切な処置がしにくい
保険診療では、検査や治療内容が決まっていて、その範囲内で治療を行う必要があります。
なので、どんなに機能的にも見た目的にも優れた材料や治療法があっても、保険診療の対象外であれば処置を行うことができません。
例えば、保険を適用しようと思えば、奥歯は金属の詰め物や被せものにする場合がほとんどですが、歯を削る量が多くなるだけでなく、ほかの先進国では健康への配慮から使用が禁止されている材料が含まれている場合もあります。
3.見た目や機能面に違和感が出やすい
何度も治療を行って詰め物や銀歯などが増えてくると、自分の口の中を他人に見せることに抵抗を感じるようになる人は少なくありません。
また、再治療を繰り返すと、やがて歯を抜かなければならなくなりますが、保険診療のブリッジや入れ歯では、見た目にどうしても違和感が出やすくなります。
残っている周りの歯にも負担がかかり、歯周病の進行や歯の破折などによってまさにドミノ倒しのように歯の欠損が拡大していく恐れもあります。
誤解していただきたくないのですが、
「だから保険診療が悪い」と言いたいわけではありません。
治療費の負担が減ることは 患者さんにとって大きなメリットのひとつですし
良心的な歯医者さんも少なからずいらっしゃいます。
ただ、患者さんのことを第一に考え良心的な治療をしようとすればするほど、
経営が苦しくなるのも事実です。
また、保険診療によって
「歯医者は安い」「虫歯になれば歯医者に行けばいい」
という間違った認識が定着してしまった結果、
日本人の口腔ケアに対する意識や習慣は先進国の中でも最低レベルのままです。
完全自由歯科診療という診療スタイルをご存知ですか?
自由診療って自費診療のことではないの?と思われたのではないでしょうか。
実は、このふたつは全く違うのです。
自費診療は保険診療という枠組みの中で治療費の支払いを保険からの給付でなく患者さんの私費で行う診療を意味します。
つまり、自費診療とは治療費の支払い方法の分類に属する言葉であり、医療の入口はあくまで保険診療となります。
保険適応されない部分の材料や機材を自由に選ぶことができるのですが、そこの部分にかかる費用を患者さんが全額負担する為、自費診療と呼んでいます。
要するに、「自費材料を使用した保険診療」「自費機材を使用した保険診療」ということができるでしょう。
私の行う自由診療で、もっとも大切にしていることは
「正しい治療を正しく行う」ことです。
一部の患者さんのためだけに行う高価な治療に価値を見出すのではなく
診療を受けるすべての患者さんに対して、時間や材料の制約を受けず、十分な時間と集中力をもって
学術的に定められた治療を行うこと。
そのためには、機材や材料を選定するまえに病気になった原因を解明することが最も重要です。
現在の歯科の診療システム(保険診療+自費診療)では検査の内容が不十分なため、原因の解明が難しくなっています。
そのため、せっかく装着したセラミックスクラウンやゴールドクラウンがすぐに悪くなってしまうことも少なくないでしょう。
なにで治すか、の前になぜ治すのか?
これを徹底して分析する必要があります。
医療法人社団 明水会
miki private dental clinic